この暗闇のどこに朝を潜ませているのかと質感を持った闇が街の灯りをまとって私の部屋へやって来ると頭蓋骨の中身まで奪われてしまいそうで必死で目をつむる夜になる。
ひんやりとした風を吸い込んで、胸の奥が疼くのは何故か。うす青い空のうろこ雲を見上げて、どこかやるせなくなるのは何故か。遠いむかし、わたくしが別のいのちであったころ、切ない出来事を彩った、そんな秋の一日である。
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